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長期の株式インデックス投資が良さそうなのはわかったけど、アラフィフで時間も限られてるし、それならハイリスク・ハイリターンなインデックスを選んで投資しようかな

そのお気持ちは良くわかります。一概にハイリスク・ハイリターンを否定するわけではありませんが、その前に、ハイリスク・ハイリターンを選択するとはどういうことなのか、を理解しておく必要はあると思います。

そこで今回は、リスクという言葉が持つ意味を通じて、アラフィフにとって必要な、株式インデックス投資に必要な三原則のふたつめ「分散(投資)」について書いてみたいと思います。長くなりますので、結論のみ知りたいという方は、下の目次からまとめに飛んでくださいね。

リスクとは?

「リスク」といいますと、一般的な用語では「危険」という意味合いで使われますよね。この場合、ハイリスク・ハイリターンとは、損失を被る危険性が高いけれども、大きく儲けることができる、といった意味合いになるでしょうか。

一方、投資の世界でのリスクとは、価格変動の振れ幅をいいます。つまり、マイナス方向だけではなくプラス方向にもブレることをリスクというのです。そして、ハイリスクとは、価格変動の振れ幅が大きいわけですから、長期的に見て右肩上がりの成長が期待できる株式に投資するとはいえ、安定して期待されるリターンを得るためには、市場の平均回帰(リターンの収束)を待つ、長〜い期間が必要になってしまうわけです。

ここで、6面体と12面体のサイコロを例にとり説明してみましょう。

・6面体のサイコロでは、各目が出る確率は1/6で、期待値(出る目の平均)は
(1+2+3+4+5+6)÷ 6 = 3.5です。

・12面体のサイコロでは、各目が出る確率は1/12で、期待値は
(1+2+3+…..+12)÷ 12 = 6.5です。

12面体のサイコロは、6面体と比較して、期待値が高い(ハイリターン)ものの、出目の範囲が広いため、1回ごとの振れ幅が大きく(ハイリスク)なります。そして、12面体のほうが、個々の試行結果のブレが大きいがゆえに、期待値に収束するまでには、より多くの試行回数が必要になるわけです。

このように、ハイリスク・ハイリターンの場合はどうしても、安定して期待されるリターンを得るためには、長い期間が必要となりますので、時間の限られている(多くの試行回数が取れない)アラフィフにとって、リスクを取り過ぎることは、リターンの期待値を自ら下げる行動と言えるのではないでしょうか。

リスクを抑えつつ、リターンを最大化するために

単純にリスクを抑えても、資産はなかなか増えないし、最悪インフレに負けてしまう、って以前いってたよね?


「お金は友達」の記事内、「リスク回避がリスクとなる!?」の項目をご参照ください
https://around-fifty.online/お金は友達/#rtoc-2

そうなんですよね。リスクを抑えつつ、リターンを最大化しないといけないわけなのですが、そこで、「広く分散された」株式インデックスに投資する必要があるわけです。

それでは、広く分散とはどう分散すれば良いのでしょうか?ここで考えなければならないのは、銘柄分散・セクター分散・地域分散となります。

①銘柄分散

下の図を見てください。

出典:バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」第13版

「ポートフォリオ」とは、資産の組み合わせのことですが、ここでは、個別企業の株式を複数組み合わせたものとなります。また、システマティック・リスクとは、分散投資によっても低減できないリスクを、非システマティック・リスクとは、個別企業特有の要因(例えば、企業の生産設備が滅失してしまって、事業の継続が困難になって倒産した、とかですね)によって引き起こされるリスクのことをいいます。仮に株式市場の全ての銘柄に完全に分散投資をしても、価格変動からは逃れられないですよね。システマティック・リスクとは、株式が株式であるがゆえに避けようがないリスクのことです。

この図からは、組み入れ銘柄数が多くなるにつれ、(総)リスクを低減できることがわかります。

②セクター(業種)分散

直近30年間での株式市場の暴落イベントといえば、2000年のITバブル崩壊と2008年のリーマンショックがあります。ITバブル崩壊では、IT(情報技術)セクターの株価が大きく下落し、リーマンショックでは、金融セクターの株価が大きく下落しました。

各イベント時の他セクターの下落率は、比較的(あくまで比較的)抑制されたものであったことから、特定セクターに集中せず、幅広いセクターに分散投資することが、リスク低減に繋がるといえそうです。

③地域の分散

1989年、世界の株式時価総額トップ10のうち、7社は日本企業でありました。ところが、2025年1月末時点、トップ10に日本企業は1社たりとも入っておりません。日本企業トップのトヨタ自動車ですら、43位であります。ほとんどがアメリカの企業が占めております。

何故このような状況になっているのでしょうか?一言で言えば、この間日本企業はあまり成長せず、アメリカ企業は大きく成長した、ということになります。ここで、各国の過去の市場全体を振り返ってみましょう。

日本の代表的な株式インデックスである、日経平均株価は1989年に当時の史上最高値である38,957円44銭を記録。しかし1990年に入り、バブル崩壊とともに急落、2003年にはバブル崩壊後の最安値7,603円76銭を、2008年のリーマンショック時には6,994円90銭を記録するなど、ピーク時の▲80%以上まで下落したのです。その後、徐々に回復していったものの、バブル時の最高値を2024年に更新するまで、30年以上の期間を要したのでありました。

日経平均株価の年末終値ベース:1989年 38,915円87銭 → 2024年 39,894円54銭(1.025倍)

その間、アメリカの代表的な株式インデックスである、S&P 500はどうだったのでしょうか。アメリカの株式市場においても、2000年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックという暴落はあったものの、長期的には右肩上がりの成長を継続。近年ではGAFAM(Google(Alphabet)、Apple、Facebook(Meta)、Amazon、Microsoft)にNVIDIA、Teslaを加えたマグニフィセント・セブンが株式市場を牽引し、株価上昇を後押ししております。

S&P 500の年末終値ベース:1989年 353.4 → 2024年 5,881.63(16.64倍)

以上のことから、地域の分散投資は、特定の地域の株価下落・停滞リスクを抑え、他の地域の成長機会を逃さないために重要であることがわかります。

まとめ

時間が限られているアラフィフはどうしても、短期間で大きなリターンを得たいと考えがちなのですが、それは罠で、かえってリターンの期待値を下げる行動なのだ、やるべきことはその真逆である、ことがわかりました。

そして、リスクを抑えつつ、リターンを最大化しようとするためには、「分散」という言葉がキーワードで、分散に必要な要素はどのようなものか、について書いてきました。隣の芝は青く見えるといいますが、どうしても、今大きく儲かっている個別銘柄・セクターに集中投資をしたくなります。しかしながら、これも結局、短期間で大きなリターンを得たいというアラフィフにとっての罠、と考える必要がありそうです。

ある意味、人間の本能に従って道を進んでいったら、その先には真逆の結果が待っている可能性が高いわけですから、知識の重要性というものがわかりますよね。

アラフィフさん

どこにでもいそうなアラフィフ会社員です。

夫婦と子供2人の4人家族で過ごしております。

老後生活に向けた不安を悩み・考える日々を通して、将来が少しでも豊かなものとなるよう、読者の皆さまとともに歩んでまいりたいと思います。

2024年度に日商簿記2級と3級・FP技能士2級(25年3月取得見込)と3級の資格を取得しました。

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