仕掛けられた罠

皆さま、こんにちは!(こんばんは!)いつも当ブログを見ていただき、誠にありがとうございます。

これまでの記事で、資産形成のために「何を」買うべきなのかはわかったけど、「どこで」買ったら良いのかなぁ?最近、テレビで「NISA始めませんか」とか盛んに銀行などのCMが流れてるよね

NISAはそれ自体金融商品ではなく、単なる税金の優遇制度であります。どこかの金融機関でNISA口座を開設後に、口座内で金融商品を購入・運用して、得られた利益が非課税となるわけです。

これまでの記事で書いてきました、金融商品として「何を」買うべきなのかも重要なのですが、「どこで」買ったら良いのかというのも、アラフィフからの資産形成に大きな影響を及ぼす重要な要素であります。

結論から申し上げますと

NISA口座を開設するのは、ネット証券(ちなみに、筆者は楽天証券ユーザー)を利用すべきで、対面販売型の銀行や証券会社は絶対に選択すべきではありません。

そこで今回は、アラフィフにとって、ネット証券を選択すべき最大の理由、について書いてみたいと思います。

アラフィフの資産形成の効果を最大化するために

ここも結論からいきます。最大の理由・・・それは

投資の三原則「低コスト」に反するから

です。詳しく見てみましょう。

そもそも、対面型販売の銀行や証券会社を選択する理由とは、なんでしょうか?

投資ってよくわからないし、相談に乗ってくれる人がいるのは心強いよね
それに、有名な銀行や証券会社だと、安心感もあるかな

そのお気持ちは良くわかります。アラフィフは仕事上も多忙を極めているでしょうから、投資についての知識を学ぶ時間をなかなか確保しにくいですよね。それに、有名な銀行や証券会社だったら、きっと良い金融商品を案内してくれそうです。

・・・残念ながら、それは幻想です。ほぼ間違いなく「高コスト」の金融商品を、巧みなセールストークで購入させられるでしょう。投資についての知識がない方にその良否を判断できる術はありません。これは、そうならざるをえないのですが、どういうことでしょうか?

こちらは、以前にも紹介いたしました、楽天証券で販売している、有名な投資信託である「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の目論見書となります。信託報酬の項目を見ていただくと、販売会社の取り分が記載されていると思います。

もう、おわかりですよね。信託報酬が高コストであればあるほど、販売会社(銀行や証券会社)は大きな利益を獲得できるのです。当然ながら、多くのセールスパーソンは、自身の営業成績もありますし、顧客の利益ではなく、自社の利益を最大化するでしょう。投資についての知識がない方に「高コスト」の金融商品を販売しようとするわけです。

その証拠として、下の表を見てください。

こちらは、とある証券会社で販売されている、NISAの成長投資枠での売れ筋NO.1投資信託(S&P 500をベンチマークとするアクティブファンド)の目論見書であります。信託財産留保額こそ無料ではありますが、購入時手数料がかかることに加えて、信託報酬が年率1.727%(!)もあるのです。

調査いたしましたところ、こちらの投資信託は過去5年間で年率23.14%のリターンがあったそうです。比較対象として、過去5年間で同等のリターンであった投資信託、S&P 500のインデックスファンドである「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」(過去5年間の年率リターン22.78%・信託報酬年率0.08140%)をピックアップして詳しく見てみましょう。なお、アクティブファンドとインデックスファンドについては

「Double Chance?」記事内、「インデックスファンドとアクティブファンドとは?」の項目を参照ください


条件:積立額 5万円/月 積立年数 30年 好調期でリターンが高すぎると思われるため、前者を10.4%、後者を10.0%で試算(信託報酬も前者を1.72%、後者を0.09%、とキリが良い数字に調整)
※「信託手数料シミュレーション」様のサイト(https://fukurimagic.com)にて試算

前者のアクティブファンドは、30年間の支払信託報酬額は2,942万円となり、顧客には7,705万円残っております。

後者のインデックスファンドは、30年間の支払信託報酬額は166万円となり、顧客には9,703万円残っております。

信託報酬の違いだけで、これだけの差があるのに、さらに購入時手数料もかかるのです。どちらが顧客の利益を最大化する金融商品か、いうまでもないですよね。ネット証券を選択する重要性がおわかりいただけたかと思います。

ちなみにこの、とある証券会社では、NISAの積立投資枠では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」が売れ筋NO.1の投資信託でした。

お客様、アラフィフの場合、老後生活までに残された時間は余り多くありません。成長投資枠では運用益が非課税になるNISAのメリットを最大限に活かし、少しでもリターンが高い、攻めのファンドを選択されることをお勧めします。こちらのファンドは、手数料は少々お高めではありますが、優秀なファンドマネージャーが市場環境に応じて柔軟に運用し、単なるインデックス投資では得られない利益の機会を追求しています。確かに低コストの商品もありますが、本当に大事なのは「コストの安さ」ではなく、「最終的にどれだけリターンを得られるか」ではないでしょうか。実際、当社の販売実績でもNO.1のファンドでして、多くの皆さまにご選択いただいております。

こんな感じのセールストークが繰り広げられたのでしょうか。確かに、NISAには積立投資枠と成長投資枠の二つがありますが、名前に惑わされてはいけませんね。成長投資枠も積立投資枠と同じインデックスファンドを購入出来ます。何か特別なことをやる必要性は全くありません。

まとめ

投資についての知識がない方が、対面型販売の銀行や証券会社でNISA口座を開設した場合、自身の利益を最大化するのではなく、銀行や証券会社の利益を最大化する可能性があることを、金融商品の利益構造の観点から説明してきました。

確かに、20代・30代の方と比べたら、アラフィフには老後生活までに残された時間は多くありません。何とかしなきゃ、と焦る気持ちばかりが先行しますと、少しでも高いリターンを追い求めてしまって、その背後に潜む高いコスト・高いリスクを見逃しがちになってしまいます。

やり直しがきかないアラフィフこそ、確かな知識を身に付けて、大切なお金を最大化できる可能性が高い方法を選択していく必要があると思っております。

アラフィフさん

どこにでもいそうなアラフィフ会社員です。

夫婦と子供2人の4人家族で過ごしております。

老後生活に向けた不安を悩み・考える日々を通して、将来が少しでも豊かなものとなるよう、読者の皆さまとともに歩んでまいりたいと思います。

2024年度に日商簿記2級と3級・FP技能士2級(25年3月取得見込)と3級の資格を取得しました。

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